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600:名前: ◆O27xb/033o <sage> : 2017/02/19(日) 22:58:43 ID:5BF3xXj2良い湯で御座った……
そして、唐突に夢をテキストに仕立て上げたい衝動に駆られる…… 何かあんま良く無いらしいけどねー……
601:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/19(日) 22:58:53 ID:Z9.9DWSoVR+ストリートビュー+廃墟MOD
602:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/19(日) 23:00:35 ID:aoai3xOQ夢日記だっけか。 習慣化しないで話のネタ程度なら大丈夫じゃない?
606:名前: ◆O27xb/033o <sage> : 2017/02/19(日) 23:32:45 ID:5BF3xXj2 大体こんな文体で徒然と続く夢
何か気掛かりな事があったように思いつつも、引っかかりを抜けて意識は浮上する。 そして、頬に冷たさとも温さとも付かぬ曖昧な風を浴びて、私は目を開いた。
伽藍として割れた自動ドアと窓から注ぐ月明かりだけが頼りとなる空間は、 毎朝毎晩見慣れた我が家の正面玄関口であった。 そこで私は茫洋と案山子の如く、着慣れた背広と外套の装いで立ち尽くしている。
何事か、とは最早考えない。 ああやはり、そしてまたかと思うだけ。 どうやら私は、いつの間にやら寝入ってしまったらしい。 この何処か心が落ち着く風景の中に入り込めるのは、何時も酒精や疲労に溺れて、 長椅子の上で寝入ってしまった時だけなのだから。
常のように衣嚢へ手をやってみれば、帰ってくる手触りは慣れた品々の存在を教えてくれた。 部屋や車の鍵を纏めた鍵束や、使い込んだ煙草入れ。 懐へ手をやってみれば、馴染んだ財布と携帯端末の姿もある。 尤も、端末は電源に指をやっても動いてはくれなかったのだが。
振り返れば、昇降機の明かりは落ちており、非常階段の防火扉は拉げてしまい、 到底己の細腕でこじ開けられるとは思えない有様。 裏側に回って幾度か塀を乗り越えれば屋外に露出している階段へと侵入も 果たせるのだろうが、きっと今回は“縁が無い場所”なのだろう。
私はきっぱり諦めると、煙草入れから愛飲する煙草を引っ張り出して咥え、 年季が入ってくすんだオイルライターで火を灯す。 そして紅茶にも似た香気を楽しみつつ、一歩を踏み出した。 割れたガラスと砂利を躙る感覚。土埃が薄く積もっている辺り、大分長く掃除が されていないようであった。
習慣からか、玄関にある無数に連なった郵便受けの中から我が家の 番号が書かれたものへと向かい、錠を捻って開ける。 中には何も無く、ただ斯様な有様でも発揮される自身の習慣におかしみが湧いてきた。
それから、暫く前に設置された留守であっても荷物を受け取ってくれる宅配BOXへと目をやる。 これが出来た時は嬉しかったのだが、今は老人の抜けた歯のように諸所の扉が脱落し、 ガラクタやら得体の知れない袋が詰まった無残な姿を晒している。
しかし、不思議と我が家に割り振られた箱は無事で、ただ扉を開けて中身を晒してあった。 置いてあるのは、古風な蝋燭を差して使う様式のランタンである。 これが今回の道連れ、という訳であろうか。
手にとって見回してみても、常のように何処かを彷徨う見知らぬ主人達の姿は見当たらぬ。 これはこれで中々寂しい道のりになりそうであった…………。
607:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/19(日) 23:38:28 ID:xqsPLoww古風な描写が続いたかと思えばおどろおどろしい感じが……w
608:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/19(日) 23:40:08 ID:y/1PBvhgたて読みを探す俺がいる
609:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/19(日) 23:43:25 ID:bCO.kKoU廃屋で目覚めて、不気味な館を探検していく内にふと硝子に映った自らの姿を見て ああ、怪物は私だったのか…となる小説を連想した。
610:名前: ◆O27xb/033o <sage> : 2017/02/19(日) 23:44:48 ID:5BF3xXj2生憎、これだけの長文に縦読みを仕込む才能はないのであった……
611:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/19(日) 23:45:50 ID:JJwZ0FE6夢十夜みたいだ、、、
612:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/19(日) 23:49:57 ID:/a62maDQタバコをふかしながら 「ここで、女の子出さないと売れませんよ あとスマホしか見ない小学生でも理解できる文章書いてください 頼みますよ 先生」 と プレッシャーかける夢
613:名前: ◆O27xb/033o <sage> : 2017/02/19(日) 23:58:50 ID:5BF3xXj2煙草吹かしながら何も考えないでキーを叩いていると、酷く心が落ち着くことに気がついた……
ふらふらと当て所なく正面玄関口から這いだして、出勤するのと同じ調子で駐車場へと足を運べど、 そこに愛車の姿は無く、代わりにぼんやりと蝋燭の明かりに照らし出されるのは一人の御猫様。 黒毛の艶やかな御仁は、小さく鳴いて何処かへと去ってしまった。
夢の方向性は何時も曖昧だ。 大抵は夜か明け方なれど、車に乗っていることもあれば、何処かに取り残されている事もある。 しかし、大抵は見知らぬ御猫様が導いてくれるのだが、今回は誰も近くには居ない。 移動手段を求めて歩いてみたものの、あの御猫様は違ったようだ。
短い棒きれの先に鎖で吊されたカンテラと、アニメの如く歪に大きな月のみが今の道連れ。 落ち葉や紙切れのゴミが点々と降り積もる、マンションの敷地内では些か寂しい面々であった。
見上げればのしかかるような威圧感のある我が家と、我が家と同じ構造の建物があるが、 その中で斜向かいにある棟は大きく崩れ、その身を以て道を塞いでいた。 確かあちらに行けば駅のある中央からは外れ、馴染みの店がある下町の方へ辿り着くのだが、 こうも露骨に塞いであると言うことは“縁が無い”ということなのだろう。
無理に乗り越えて外套を汚すのも癪なので、私は素直に道が通じている駅の方へと足を向けることにした。 例え夢でも成人祝いに祖母がくれた背広とカシミアの外套を汚すのは嫌だったのだ。
特に目的も無くランタンと月明かりの淡い光源を頼りに街路を歩く。 何時もの如く見慣れた風景だ。 崩れた店舗、朽ちて骨組みを露出させた雑居ビルや住居、遠く霞む高層建築物は傾ぎ、 道端に取り残された車の数々は寂しげに錆で身を飾っている。
突然己以外の人間が久しく訪れなかった世界に放り出されたような感覚。 それでいて、記憶にある地元そのままの光景が展開されるのは、何処かおかしみすら感じられる。 馴染みの茶店に我が愛車と同メーカーと思しき車が突っ込んでいるのは、何の暗示であろうか。
かつての通学路であり、通勤するようになってからはとんと使わなくなった駅への道。 何事も無く主が失せて朽ちたかのような場所もあれば、混乱の中に打ち棄てられたような二つの 廃墟が作り上げる滅びのモザイク。 明かりで照らし、興味深い物を見上げて時間を潰しながら歩き回った。 何とも無しに、縁がある建物ばかりの損傷が激しいような気がした。 良く行く八百屋、高いが品の良い魚屋、何かと便利な総合商店に薬局、時折ふらりと入る花屋など、 店主の名や人となりを知る店は燃えた跡であったり、崩れていたりとダメージが酷い。
ふらりと立ち寄って私が足を止めるのを妨げているかのようだった。 つまりは、それらもまた“縁が無い”建物なのだろう。
614:名前: ◆O27xb/033o <sage> : 2017/02/20(月) 00:20:08 ID:vREo29E.大抵の夢は混沌としていて方向性の無い物だが、この夢ばかりは違う。 懐かしいような、寂しいような、それでいて心が落ち着く見慣れた滅びの中には方向性がある。
私が行くべき所が定まっているように思えるのだ。 その場所がどうやって決まるのかは分からないが、行けない所にはどうやっても行けないようになっている。 先導の御猫様に窘められたり、今のように物理的に入れないようになっていたりと。
されども、まぁ乏しい反骨精神を引っ張り出せば行けなくも無いのだろうが、 斯様な有様になっているということは、行くべきでは無い、つまりは縁が無いのだろうと何時も諦めている。 何より、そっちに行っても特に楽しい物はあるまいて、と私自身が感じてしまうのだ。
なら、夢の中でまで骨を折って疲れる必要は何処にもあるまい。
ぷらぷらとだらしなく歩いてみれば、駅舎へと辿り着いた。 鈍行しか止まらない割に立派な建物ではあるのだが、ここが行き止まりなのだろう。 見上げる普通の雑居ビルであれば5階ほどの高さに位置する駅のホームからは、 かつて毎日乗った葡萄色の電車が死んだ蛇のようにだらりと垂れていたからだ。
ここまで盛大な事故跡、というのは中々みたことがない。 されども映画やゲームの如く、無数の凄惨な死体がぶちまけられているということもなく、 ただ巨大な動物の亡骸のような寂寥感のみが取り残されている。
近づいて観察してみると、電車もかなり朽ちていた。 内部の緑色をした座席が随分と色あせて居ることから、雨にも晒されてていたのだろう。 その中でも比較的地面を平行を保った座席の上に、一人のサバトラの御猫様がいらっしゃった。 気持ちよさそうに寝入っているので、彼もまた“縁のある”御猫様ではないのだろう。
しげしげと電車を観察していると、甲高い鳴き声が一つ。 反応して見やれば、崩壊した駅舎の中で、崩落から逃れている店舗が一つだけあった。 駅の中ではよく見る、青い看板が目印の書店。 小さく開いたガラス張りの自動ドアの前で、一匹の御猫様が座っていた。 我が家の二番目の御猫様にも似た、軟骨形成不全の垂れた耳とまあるいお顔が特徴の御猫様だ。
用がある、とでもいうように金色のお目々が月明かりを反射して輝いていた。 成る程、そこが今回の“縁がある”場所、と言う訳か。
私は眠るサバトラの御猫様に小さく会釈してから、書店へと向かった…………。
そして、本を読んでたら「やべぇ、何かやりたかったのに」と不意に我に返って目が覚めたのだ…… まぁ、ダラダラ文章書き連ねるのも楽しかったよ…… さてと、では明日もあるし寝るかぁ……
615:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/20(月) 00:25:21 ID:YzTXNl0M乙ー こう少し読み始めると最後まで読んでしまうと、文章上手いなぁと思う
617:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/20(月) 00:28:09 ID:7rJbuMGU 乙―
人はいなくとも、やはりお猫様はお出ましになるのね
618:名前:普通の名無しさん <sage> : 2017/02/20(月) 00:32:29 ID:p/Tb.HuIお休みゾンビ
有るよね、己を縛り付ける愛しい世界って
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